〈経営者の夢〉と言われている自社ビルの取得&運営に必要なノウハウを知り、会社を発展させましょう!

『自社ビル取得&運用マニュアル』というタイトルからおわかりいただけるように、自社ビルは取得して終わりではなく、長期的な視野をもって上手に運用することがとても重要になります。時には、資産を入れ替えたり、手放すことが正解の場合もあるでしょう。自社ビルを取得し続けることで本業を圧迫しては本末転倒になってしまいます。
「自社ビルは経営者の夢」と言われていますが、自社ビルの取得を考えることは、本業で十分な利益が出るビジネスモデルになっており実践できている必要があります。その意味は、第2創業の時期にある2代目社長や後継者の方にもお役に立つ内容が網羅されていると自負しております。(本書まえがきより)

 『自社ビル取得&運用マニュアル』著書刊行記念インタビュー

 【リード】
事業用不動産を中心に貸主・借主双方に対する総合的なコンサルティング活動で活躍されている阿部龍治さん。今回、自社ビルを所有することを検討している中小企業経営者に向けた取得と運用のマニュアル書をご執筆いただきました。〈経営者の夢〉を実現し、会社を発展させる自社ビル取得の心得とは。著書刊行にあたり、お話を伺いました――。
 
【本文】
 
――最近の不動産市況はいかがでしょうか。
 
【阿部】 昨年の11月から12月ごろから、不動産業界は大変厳しい状況が続いています。いわゆるサブプライムローン問題が表面化し、リーマン・ショックが起こってから、苦境から抜け出せない状態にあります。
 
それ以前は、大型の事業用不動産物件などは満室に近い状態で、どの物件も「値上げ合戦」になっていました。ところが、今年の年明けからは「値下げ合戦」が始まり、貸主も何とかテナントを引き留めしようと躍起になっていますね。
 
 
――不動産業界を取り巻く厳しい環境はしばらく続きそうですね。
 
【阿部】 はい。現在は、今夏までに賃料値下げや空室率の上昇が一段落して上昇基調にあるビルオーナーと、いまだに空室率が高く、空室期間が長期化して苦しんでいるビルオーナーに二極化しつつあります。相対的にみれば、まだ厳しい状態のオーナーさんが多いですね。
 
 
――さて、本書のテーマは「自社ビルの取得とその運用」ですが、「自社ビルを持つことは会社経営上、良くない」とお考えの社長さんも多いと思います。そうした考え方については、どのように思いますか。
 
【阿部】 そうですね。特にここ数年はそのように考える経営者の方が多いのですが、必ずしもその認識は正しくないでしょう。
 
基本的なことですが、自社ビルを購入したり、取得して所有し続けたりすることは、本業で十分な利益が出るビジネスモデルを構築し、それを実践して利益を上げていることが前提になります。
その上で、今後、世の中の情勢や経営環境が変わる中で、既存のビジネスモデルを見直したり、再構築したりすることがあるはずです。その際に、自社ビルを新たな経営資源として、自社の利益につながる形でビジネスモデルに組み込むことですね。そうすれば、自社ビルは経営の圧迫要因ではなく、事業をより発展させる不動産運用となります。
 
自社ビルは、持つことが目的ではありません。ぜひ「ビジネスをうまく回すために必要なもの」「ビジネスのために生かすもの」と捉えてほしいですね。そうすれば、新しい視点で自社ビルについて考えることができると思います。
 
状況によっては、これまで持っていたビルを売却したり、新しく買い換えたりすることも、むしろ必要なことだと考えていますよ。
 
 
――本書の中では、自社ビル取得後の「テナント運用」についても触れていますね。
 
【阿部】 はい。自社ビルにテナントを受け入れることは、自社が新たな収益源を獲得することを意味します。具体的には、自社ビルの一部のスペースをほかの企業に貸して、賃貸収入を得るということですが、これにはさまざまなノウハウが必要です。詳しくは本書で解説していますので、ご覧いただければ幸いです。
 
また、自社ビルを手に入れる際に、最初から賃貸する可能性を想定することも重要ですね。新しく自社ビルを建てる際に、完全に「自分たちの会社仕様」にしてしまうと、将来、一部をテナント運用しよう、となったときに、なかなか借り手が付かずに空室期間が長期化しやすいんです。
早い段階からテナント運用の可能性も想定しておくと、フロア間の分離をしやすくするとか、入口を複数設置するとかの工夫ができます。それによって、将来テナント運用する際に空室率を抑えたり、万一売却する際にも資産価値が大きく変わってくるんですね。
 
 
――自社ビル取得を目指している経営者の方へ、「これだけは押さえてほしい」というポイントがあれば教えてください。
 
【阿部】 一口に自社ビル取得と言っても、大きく分けて新しく土地を取得して新築ビルを建てる場合と、中古物件を手に入れる場合の2パターンがあると思います。最近は、費用が安価で済むということで中古物件を選択するケースが多いのですが、どちらの選択肢を選ぶにしても、自社の企業ブランドや事業計画など、自社にとってのニーズに合った選択をすることです。
 
取得する場所や相場、中古物件なら建物の状態など、物件を見極める上で注意すべきポイントというのは色々あり、本書の中でも紹介しているのですが、これらを過度に気にしすぎると「自社にとってどんな不動産を取得するのが一番いいのか」という視点を忘れがちになります。
自社のビジネスモデルに一番貢献するのはどの物件なのか、そういう視点で最適な自社ビルを探すことが重要だと思いますね。
 
 
――それでは最後に、本書を読まれる読者の方へメッセージをお願いします。
 
【阿部】 本書は、自社ビルを取得しようとお考えの経営者の方だけでなく、すでに事業用不動産を所有されているビルオーナーや、経営者にアドバイスする立場の会計士や税理士の方、そして不動産ビジネスに携わるすべての方にとって、役立つ内容を盛り込んだつもりです。
 
そのため400ページを超える大作となったわけですが、厳しい経済情勢下にあって自社ビル取得し、上手に運用したいとお考えの方には有益な情報がたくさん詰まっています。本書をお読みいただき、ぜひ〈経営者の夢〉を実現させてほしいと思います。
 
 
――どうもありがとうございました。

 

 

 

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